転職活動に役立つ「会社選び」と自己分析のフレームワークを解説します
こんにちは泉です(自己紹介や当サイトの概要はこちらをクリックしてください)。
今回は、自己分析のやり方について話していこうかと思います。
皆さんも、新卒の就職活動のときに、自己分析をした経験がありますよね
実は、転職活動においても、自己分析は非常に重要です。
ただ、新卒の就職活動のときもそうだったかと思いますが、自己分析って「何をどのようにしてやればいいのか?」という点がわかりにくいです。
そこで今回は、十年間ヘッドハンターをしていた私が、現場で使っていた自己分析の方法を公開しちゃおうかなと思います。
転職で重要視する要素を点数化
それでは、自己分析の方法を説明していきます。
まずは、不要な紙にでも何にでもいいので、五角形を書いてみて下さい。
そして、五角形を書いたら、5つの頂点に、転職する際に自分が重要視する要素をそれぞれ書いていきます。
(今回は、例として、スキルアップ、労働時間、安定性、人間関係、給与とします)。
もちろん、上記に挙げた要素以外でも、会社の成長性、社長の経営ビジョンなど、重要視する要素は人それぞれです。
自分が何を軸に会社を選びたいのか、ここをまずはじっくり考えてみて下さい。
自分が転職において重要視する5つの要素を決め、書き込んだら、今度は、現職が満足度5段階評価で何点なのかを要素ごとに記入していきます。
具体的には、労働時間が満足度2点、スキルアップは満足度3点、給与は2点、人間関係が3点、安定性は5点という様にです。
そして、それらの点数を合計してみて下さい。
上記の場合だと、2点+3点+2点+3点+5点で15点ですね?
これが言ってみればあなたの持ち点となります。
そうしたら次に、転職先となる会社では、あなたが重要視する5つの要素を何点に振り分けたいのかを考えていきましょう。
例えば、あなたが「現職は残業が長くてしんどいから、転職先では残業を減らして、その分スキルアップに時間を使いたい。」、「現職の残業時間は満足度2点なので、次の会社の残業時間の満足度は4点欲しいな。」と考えるなら、労働時間の要素は、+2点して4点とします。
すると、持ち点15点のうち、労働時間に+2点してしまったので、どこかの要素の点数を-2点しなければなりません。
そこで、「労働時間と引き換えに、安定性は5点から3点に減らしても許容できるな。」などと考えて、チューニングをしていく訳です。
これで労働時間+2点、安定性-2点、合計15点のままですよね
個人の価値は相場で決まる
では、なぜ自己分析をするうえで、この方法が良いのでしょうか。
どうせ転職するのなら、5つの重要な要素すべてで5点の環境を目指したいですよね。
そこには、転職市場、人材市場における個人の価値の決まり方が関係しています。
転職市場、人材市場において、個人の価値は相場で決まってしまうのです。
そのため、現在15点の環境にいる方が、25点の環境に行くことはなかなか厳しいんですね。
要するに、そんなスペックの高い会社には受からないという問題が出てきます。
ですから、現実問題、今が15点のスペックの方であれば、14点、16点と多少のズレはあるかもしれません。
しかし、概ねその持ち点の中で次の会社を選ぶというのが、需給の一致しやすい転職先ということになります。
少し厳しい言い方になってしまいましたが、世の中の転職のメカニズムはそうなっているのです。
もちろん、持ち点を上げるという方法もあります。
例えば、現職で出世して給与を上げたりだとか、スキルを自分でどんどん研鑽して自ら5点に持っていくなどです。
そして、それから転職する、それも1つの方法です。
とはいえ、いま転職するというならば、現状の相場観、客観的な人物スペックから言うと、15点の会社を選んだ方が確実です。
15点の人が20点の会社に例え入れたとしても、入社後、期待値に現実が追い付かず、結局評価が下がってしまいかねない。
それは転職する人にも、転職先の会社にもアンハッピーなことです。
ゆえに、持ち点が15点の方は、概ね15点という軸で探した方が良いのです。
転職先の決め方
例えば、転職先を探したときに、A社、B社から内定をもらい、転職先を選べるような状況になったとしましょう。
そのような場合、どのようにして最終決定を下せばよいのか。
まずは現職とA社、B社それぞれで、これまでしてきたように、自分が重要視する要素の点数化をしてみましょう。
今回は下記のような点数化をしたとします。
現職:労働時間→2点、安定性→5点、スキルアップ→3点、給料→2点、人間関係→3点
A社:労働時間→4点、安定性→3点、スキルアップ→5点、給料→1点、人間関係→2点?
B社:労働時間→3点、安定性→4点、スキルアップ→4点、給料→3点、人間関係→3点?
転職先の人間関係については、実際のところは入社してみないとわからないので、仮の点数とします。
また、現職とA社は点数の合計が15点ですが、B社の点数の合計は17点となっています。
これは、15点を軸に転職活動を行っていたとしても、幸いなことに17点の会社から内定が出たという設定です。
こう書きだしてみると、それぞれの会社について、よりわかりやすくなると思います。
一見すると、合計17点のB社に入社することが、1番メリットが大きいような気もします。
しかし、自分が転職する際に最も重要視していた要素が労働時間なら、A社を選択することも間違いではありません。
それに先ほども述べたように、自分の実力以上の会社へ入社すると、あとあと評価の面などで苦労する可能性があります。
いずれにしても、自分が何を求めて転職をしたのかを深く再考する契機になったり、自分はこういった理由でこの転職先を選んだんだというような納得感を得やすいという面から、この自己分析の方法がお勧めです。
以上が、十年間ヘッドハンターをしていた私が、現場で使っていた自己分析の方法です。
最後に、この自己分析、まずは自分1人でやってみて下さい。
やっぱり自分一人でやってみると、色々な発見があると思うからです。
ただ、いざ自己分析をしてみると、結構迷ったりすることも正直あると思います。
そういったときは遠慮なく、キャリアアドバイザーや信頼できる友人、恩師といった第3者に相談してみて下さい。
もちろん、私でもOKです。
自分だけで考えるより、第3者の目線で客観的に見てもらった方が、より冷静に分析することもできます。
色々な人の話を聞いて、合理性と最後は自分のパッションで決断し、良い転職をして頂けたらなと思います。